リコールを起こさないための努力はもちろんですが、万が一発生した場合に備え、どのような対策をとるべきか理解しておくことが重要です。
リコールが発生した際に対策すべきことは多くありますが、今回は購入者への告知方法を中心にお伝えします。
目次
まずはじめに、製品リコールが発生してしまった場合の大まかな流れを見てみましょう。
(1)事実関係の把握
全ての情報の確認を待つのではなく、判明している情報を整理し、経営者に報告 し、国又は製品評価技術基盤機構(NITE)に速やかに報告すること。(2)リコール実施の判断
購入者の安全・安心の確保を第一に考え対応すること。(3)リコールの実施
○情報提供方法の決定
購入者の製品使用等の実態に応じて、効果的な媒体・方法を組み合わせて採用す ること。
○関係機関への報告
全ての役員・従業員、関係取引先、行政機関等にリコール実施を報告・連絡する こと。
引用:経済産業省.「リコールハンドブック 要約」 .2019版. https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/recall_handbook2019_summary.pdf
上記はリコール発生後の対応の流れですが、発生の有無に関わらず日ごろから対策すべき取り組みもあります。詳細は、経済産業省のホームページをご覧ください。
この記事では、「情報提供方法の決定」の告知方法について解説します。
誰に告知をするべきか整理をしましょう。購入者が特定できている場合と特定が困難な場合では、告知方法が大きく変わります。
自社の情報だけで購入者の特定が困難な場合、販売事業者など関係機関に協力を要請して購入者の特定を行う場合があります。
また、製品によっては購入者ではなく製品の保有者や使用者、または家族などの関係者が告知のターゲットとなりえる場合があります。
次の章で詳しく紹介します。
購入者にリコールの事実と対象製品について明確に伝わることが重要です。
告知すべき内容の中でも優先順位をつけて簡潔に整理しましょう
今回は、事業者が直接購入者へ告知を行う際の方法を中心に紹介します。
購入者が特定できる場合は、上記の手法で直接連絡を取ります。
自社で購入者情報を保有していない場合、流通事業者に協力を依頼して、流通事業者から告知をしてもらうこともあります。
例えば、量販店などの販売事業者や、設置事業者、レンタル事業者 などが考えられます。
自社ホームページや報道機関へ向けたニュースリリースでリコールの事実を告知します。ニュースリリースを通じ、様々なメディアで取り上げられることで、拡散力が上がります。最近では、オンラインプラットフォームを利用した配信サービスもあり、実施しやすくなっています。
家電製品や食品など、購入者が多くかつ不特定多数の場合、TVCMは幅広く告知できるため、認知を獲得する手段として有効です。流通量の多い製品でリコールが発生した場合、まず始めに実施する施策として選択されることが多い手法です。
ただし、CMの製作費や放映料など1回あたりのコストは大きくなる傾向があります。
TVCM同様にリコール告知で最初に実施される施策として採用されやすい手法です。
ただし、新聞購読率の低下や購読層の高齢化があり、若年層へのリーチが難しいという課題があります。特に首都圏では、購読率が40%前後ため、流通量の多い製品のリコール告知では、カバーしきれないため補完する施策が必要です。
TVCM同様、即効性と拡散力がある手法です。
他の媒体に比べ、比較的低コストで短い期間で実施しやすくいことが特徴です。
また、オンライン広告にはさまざまな種類があり、用途によって使い分けることが可能です。ただし、種類が多い分、目的と用途がかみ合わないと効果を発揮しないため、事前の要件整理をしっかり行うことが重要となります。
また、リコール告知のように潜在層(対象者であるという自覚がない)向けの広告の場合、1度に伝えられる情報量に限界があるため、必要な情報が伝わりきらない可能性があります。
新聞広告と違い、販売店単位などエリアを絞って実施が可能です。
また、十分な告知紙面があるため、必要な情報を抜けもれなく載せることができます。
ただし、新聞広告と同じく新聞購読層に依存するため、大都市や若年層といった新聞購読率が低い層へは届きにくいメディアです。
新聞や新聞折込同様に、各世帯にダイレクトに届けられるメディアです。また、対象のエリアに宛名不要で投函できるDMサービスです。
いわゆる紙メディアの特性になりますが、手元で確認しやすい上に、保存性、回覧性も高く、対象製品の製品番号が多い場合に有効であり、家族と共有しやすいメディアです。
上記で紹介した施策は一例です。
ターゲットや予算に合わせて、複数の施策を組み合わせたり、繰り返し実施することで回収率を上げることができます。
YDMでは、宛名のないDMを中心に、リコール告知サポートも行っております。
施策の実施だけでなく、要件の整理からお手伝い可能です。
サービスの詳細や事例についてお知りになりたい場合は、お気軽にお問い合わせください。
参考
○ 経済産業省.「消費生活用製品のリコールハンドブック2019(全体版)」.
https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/recall_handbook2019_all.pdf
○ 経済産業省.「製品安全に関する事業者ハンドブック【手引き】」.
https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/jigyouhandbooktebiki.pdf