ダイレクトマーケティングとは、企業と生活者が直接コミュニケーションを図るマーケティング手法の事を指します。どんな商品を、どのタイミングで、誰をターゲットにして、どのような媒体(リスティング、ディスプレイ広告、DMなど)を使い、どんなメッセージを伝えるかを考えます。
一方で生活者は、具体的に欲しい商品やサービスが明確になっている顕在層と、まだ具体的には検討しておらず、漠然とした欲求しかイメージできていない潜在層に分かれます。この潜在層に対して、認知拡大を図り、ブランディングを行い、興味関心を持ってもらうプロモーション施策として、様々な方法があります。
今回は代表的な施策として、ディスプレイ広告と紙のダイレクトメールの特徴やメリットついて、ご紹介いたします。
目次
例えば、ECサイトやWEBサイトでのサービス申し込みを行っている企業にとって、サイト訪問の段階で、商品やサービスの申し込み意欲が高かったり、興味関心の度合いが高かったりする顕在層のお客様は、早期の売り上げに直結する非常に貴重な顧客です。
このような顕在層の顧客を集客する代表的な施策として、リスティング広告があります。検索エンジンにて、具体的なキーワードで、主体的に検索活動を行っている生活者へアプローチしますので、成約に近い方々を集客できます。
一方で顕在層は、どうしてもその数に限りがあります。顧客の母数を増やしていくためには、潜在的に顧客になりそうな方々に、広くアプローチする必要が出てきます。潜在層の方々は、すぐには購入やお申し込みにはつながりませんが、認知拡大を行い、興味関心を深めていくことで、将来自社商品を選択していただける顧客へとなっていきます。
ダイレクトマーケティングの初期段階では、顕在層へのプロモーションだけで土台となる売上やお申し込みを構築できますが、企業を成長させていくには、この潜在層への認知拡大プロモーションが、必ず必要となってきます。
オンライン化が進む昨今では、潜在層へのアプローチとしてディスプレイ広告が代表的な施策となっていますが、その目的や特徴、メリットを考えると、紙のダイレクトメールも認知拡大施策に非常に効果的です。ダイレクトメールのメリットを最大限活かすことで、ディスプレイ広告の代替施策としたり、クロスメディアによる相乗効果を発揮することも可能となるでしょう。
ディスプレイ広告の代表例として、Googleディスプレイ広告(GDN)やYahooディスプレイ広告(旧YDN)などがあります。
自ら主体的に情報を探している人ではなく、潜在的に顧客になってくれそうな人や興味を持ってくれそうな人のセグメントを設定し、そのセグメントに対してターゲティングを行い、バナーやテキスト、レスポンシブ広告や動画広告などを配信します。
一般的にディスプレイ広告を実施する目的は、潜在層への認知拡大や、自社サイトへ誘導して興味関心を持ってもらうことにあります。
Googleディスプレイ広告(GDN)や、Yahooディスプレイ広告(旧YDN)など、多くのディスプレイ広告はクリック単価(CPC)となっており、1クリックごとに費用が発生します。ターゲティング条件や広告の品質によって、クリック単価(CPC)も異なりますが、大まかな目安として100円~500円程度、ターゲティング設定を何も行わなければ数十円での配信も可能というイメージです。
一方で、潜在層にアプローチするプロモーションのため、ディスプレイ広告単体だけでは、購入や申し込みといったコンバージョンには結びつきにくいです。コンバージョン率(CVR)の目安としては、0.1%前後であり、コンバージョン1件を獲得するための費用対効果(CPA)は数万円単位になります。顕在層にアプローチするリスティング広告と比較すると、CPAは高めになる傾向があります。
ディスプレイ広告の特徴としては、クリック単価やCPAは数万円となるものの、アプローチしたいセグメントのターゲティングができ、潜在層への認知拡大やアプローチにより、将来的な顧客を創出できることが挙げられます。
印刷した広告クリエイティブでプロモーションを行う手法や施策も数多くありますが、その代表例としてダイレクトメール(DM)があります。
同じくオフラインの紙メディアである折込チラシやポスティングと比較して、世帯のカバー率が高い、配達品質が良い、クリエイティブの高級感があるなどのメリットがあります。
このダイレクトメールの中にも種類があり、大別すると、主に既存顧客向けに送る宛名のあるDMと、新規顧客の開拓に使う宛名のないDMの2つがあります。
ともすると、プロモーション施策を検討する際に、オフラインの紙メディア同士で比較しがちですが、もう少し視野を広げると、オンラインとオフラインを比較して施策を検討するという方法も効果的です。
初めからオンライン広告やオフライン広告ありきではなく、達成したい目標、例えば認知拡大や潜在層へのアプローチがあり、それを実現する方法として、オンラインのディスプレイ広告やオフラインの宛名のないDMを検討するという流れです。
実は潜在層への効果と言う面では、ディスプレイ広告と宛名のないDMは、非常に類似性があります。ディスプレイ広告のクリック単価(CPC)にあたる、宛名のないDMの配達単価は、1通あたり数十円からとなっており、ディスプレイ広告よりも安価です。
潜在層へのアプローチのため、即座にコンバージョンに結びつくわけではないですが、ターゲティング設定が行える宛名のないDMは、ディスプレイ広告と同等の水準、コンバージョン率0.1%前後の成果が期待できます。
加えて、物理的な紙やモノとしてお届けするため、視認性が高く、保存され何度も繰り返し読み返される効果も期待できます。広告物にクーポンやギミックを付ければ、より一層の成果も実現できます。
ディスプレイ広告 | 宛名のないDM | |
目的 | 認知拡大〜刈り取り | 認知拡大〜刈り取り |
ターゲティング | 可能 | 可能 |
制作費・印刷費 | 配信量に左右されない | 配達量に応じて増加 |
クリック・配達単価 | 100円〜500円 | 20円〜200円 |
想定CV率 | 0.1%前後 | 0.1%前後 |
想定CPA | 数万円 | 数万円 |
伝えられる情報量 | 少ない | 多い |
視認性 |
視認性は低いが 複数回の接触可能 |
視認性が高く 保存性が高い |
このように、宛名のないDMは、ディスプレイ広告とその特徴が非常に似ております。目的によって使い分けたり、両施策を並行して行い、オンラインとオフラインによるクロスメディア施策に取り組むことをおススメします。
YDMでは、宛名のないDMであるYDMエリア便というサービスをご提供しています。
国勢調査や独自データを用い、生活者の居住エリアをセグメントしております。ターゲットとしたい生活者が多くお住いのエリアに、宛名のないDMをお届けすることで、潜在層の方々に認知拡大を図り、興味関心を持っていただく、効果的なプロモーションが可能となります。
ターゲティングを行うことで、ディスプレイ広告と類似した成果を実現でき、ギミックを仕掛けたクリエイティブで、より一層の効果も期待できます。ディスプレイ広告と宛名のないDMによる、クロスメディアの取り組みもご支援させていただきます。
潜在層のプロモーションに対して、達成したい目的を起点に、視野を広げてプロモーションを検討する機会がございましたら、お気軽にお問い合わせください。